妄想の名探偵と切り裂き魔の対決はあとちょっとで決着なのだけど、その前にちょっと現実の事件の方に触れておきたい。

長崎で、小学6年生の女の子が被害者にも加害者にもなった事件。

発生からこっち、ネットでもテレビでも雑誌、新聞類でも。
ずっと追いかけてきて感じたのは――被害者側への哀悼の気持ちはもちろんある、その上で――加害者少女への、ある種の共鳴だった。

念のため、萌えとかそういうのじゃないよ?
例のファンクラブにも入会してないし。

切り裂きジャック。
ボニー&クライド。
三億円事件。
あるいは江戸川乱歩が想像した怪人たち。

それらダークサイドの人物たちへの憧憬なのかと最初は思った。
が、少し違った。

これは書こうかどうか、最後まで迷った。
それでも、書く。
加害者少女と橋川は、たぶん同種の人間なのだ。

新情報を入手するたび、自分との共通項に驚かされた。
彼女はまさに20年前の橋川だった。
彼女と同じくらいの橋川もやはり小説を書いていた。
人殺しのストーリーに傾倒していた。
当時はネットや「バトロワ」はなかったもので、小説は大学ノートやルーズリーフに書いて、感化されたのは主に児童向けのホームズや乱歩だったわけだけれど。

20年前、橋川は踏みとどまった。
人を殺しはしなかった。
彼女と同じ崖っぷちに立って、しかし飛び込むことは出来ず、周囲と折り合うことを覚え、彼女の言う「下品な愚民」に堕落していったのが、橋川。

飛んでしまったのが彼女。
20年前飛べなかったおじさんは、実は20年後の後輩とほんのちょっとすれ違っている。
彼女の(あと被害者の少女の)入会していたカフェスタというやつ。
http://www.cafesta.com/index.jsp
ここね、ここ。
ブロードバンド環境でないとちときついです。

実は橋川もアカウントを持っている。
あまり年齢層が違うもので、次第と脚が遠のいていたのだったが。
たぶん、彼女や被害者とは入れ違いくらいだったのではないかと思う。
とっくに削除されてると思ったパスワードを先日試してみたら、まだ生きてやがった。
なんてこった。

彼女と話してみたかった。
本音である。
今のこの事態を変えられたかどうかは判らない。
本当にちょっとでもいいから話してみたかった。
「…」の使い方くらいは教えてあげられたのになぁ。

今からでももし何か方法があるなら、どうか文章を書くことだけはやめないように言ってやりたい。
許されるなら、原稿用紙をでも差し入れしてやりたいものだ。
カッターナイフを一本振るったところで現実はビクともしないけど、文章を書くということにはそれに優る力があるのだと。
今からでは手遅れなのだけれど、教えてやりたい。

本音である。

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