「その傷、あとに残りそうね?」
「ああ、これ?」とジェーンは頬の傷に指先を触れ、「うん。でも、ま、しゃーないかなって」
天羽志緒は嘆息を漏らした。
「不覚だったわ。100年前からある人間消失トリックだけど――まさか、13歳の女の子が自分の顔をそうもバッサリやるとは、さすがに疑ってもみなかった」


ま、あれです。
追い詰められた犯人がとっさに自分を傷つけ、通りすがりの犠牲者になりすますという例のあのそれ。
結果犯人が消えたように見えるというやつ。
そして、犠牲者の一人と思われた人物が、実は真犯人だったというオチね。

物を投げないでください。

ここで自分で自分の顔に切りつけた場合の傷のつきかたについて、あれやこれやと推理をひとくさり、という場面が入って、対決は佳境へと向かいます。

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