昨日のつづき、つうか補足。

例によって今週の「武装錬金」のネタバレ含みます。

失楽園だったんだね、つまり早坂姉弟の過去話は。

子宮回帰願望とか、そういうイメージかなぁ、と漠然と考えていたので、実はいくつかまだ腑に落ちない部分があったのだけど、某所掲示板でとある方が書いてるのを読んで、ハタと気づいた。

早坂姉弟はアダムとイブですか。

神様(「お母さん」)の言いつけを守って、エデンで何も知らずに暮らしていられたら良かったんですよ。
だがある時、蛇にそそのかされて二人は禁断の木の実を食べてしまう(外に出ようとしてしまう)のですよ。

手元に聖書がなくて正確な引用はできないのだけど、確かエデンの知恵の木の実は、14枚羽のある猛獣だか燃えながら回転する剣だったか、けっこう恐ろしげな姿をした天使が守っていたはず。
アダムもイブも、でも、神様の言いつけに何の疑いも持っていなかったころは、そんなおそろしい番人(番天使?)のことなど気にも留めなかったことだろう。
3年間ドアを覆いつくす鎖と錠前の山にまったく気づかなかった早坂姉弟のように。

しかし、ある時蛇がささやいた。
「どうして神様はあんなに厳重にあの木の実を守っているのだろうねぇ?」

今やっとあの鎖と錠前のカットの意味がわかった気がする。
そのカットに「外はあぶないから出ちゃダメよ?」という、「お母さん」の言葉がかぶさっていた訳も。
あれは「知恵の木の実を守る天使たち」だったのだ。
ブラボー!
過去に少年マンガで、いや、それ以外でもここまで狂気に満ちた「天使画」があったろうか、いやない、たぶん(美術史は詳しくないし)

かくてアダムとイブも、早坂姉弟も、神の愛を疑ってしまったがため、知らなくて良いことを知り、永遠の幸福を約束されていた楽園を追われることになったんである。
そう思ってあらためて見直せば、病院を抜け出し、例の「結婚式ごっこ」の文句を思い返しながら二人で町を行く姉弟の姿は、まさに「エデンを追われるアダムとイブ」のイメージ。
アダムとイブは死の運命を負わされ、早坂姉弟は「死がふたりを別つまで」がけして「永遠」の意味でないことを知ったのである。

してみると、キリスト教系の「結婚式ごっこ」もこのモチーフのためであったか。
和月伸宏、おそるべし。

つまり、二人の望む永遠とは復楽園
許されてもう一度エデンに戻ること。
むぅ、深い。

まぁ、そんな二人の願いは来週あたりあっさり絶たれそうな気がしてますけど。
和月伸宏、やはりおそるべし(いろんな意味で)。

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