昨日のつづき。

「であい」というマンガがある。
今発売中の「デザート」誌で最終回を迎えた。
昨今何かとイメージの悪い、「出会い系」というやつに材を取った作品。
橋川なんかは、「彼氏への誕生日のプレゼントのために出会い系デビュー」してしまう主人公にまず薄ら寒いものを感じてしまうのだが、よくよく読んでみれば、ただ扇情的なだけのマンガではない。
社会的メッセージの盛り込まれた問題提起作になっている。
あとマンガの面白さとしていえば、「真犯人」の正体、かなり読めていたけど、これはこれで面白かったよ、うん。

一方で、やはりテーマがテーマなので、生々しい描写が続出する。
どれくらい「現場」を取材しての表現なのか浅学にして知りえないが、たとえば、
「使用済み下着の相場は8000円」
だということを、橋川はこのマンガで初めて知った。

8000円って、けっこうリアルな気がしない?
一瞬、
「え? そんなもんなの?」
と思ってしまった後、
「いや、8000円といったら俺の○時間分の給料じゃないか」
と思いなおしてしまうんですが。

念のため、橋川は下着は買いませんよ?
中に女の子か、もしくは男の子の入っていない下着になんの意味があると?

いや、それはともかく!
問題はそこのとこ。
よくよく読めば、かなりハイレベルな問題提起作(「問題作」とはまたニュアンスが違うのよね)も、さらっと読み流してる人には、

「女子●生の使用済み下着の相場は8000円」

と教えてくれる代物でしかないんである。

マンガの表現の自由を擁護する人たちが、

「性描写が何ページあるとかじゃなくて、表現上の必然性とかをふまえて判断してくれ」

のように主張するのも、その反対意見として、

「十分な判断力を持たない子供も手にする雑誌で、偏った感覚を植えつけかねない描写は控えるべき」

と言われるのも、実はどっちも正しい。
ま、子供たちに十分な判断力を備えさせるのは教育の仕事で、マンガの仕事じゃないだろう、とも思うが。

この話題もうちょっと続けます。

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