夜勤明けそうそう、姪っ子ふたりの相手をさせられる。
「とっとこハム太郎」のハンカチをひろげて、おもちゃのお金をその上に交互においていく、囲碁というか「コロンブスの卵」に似た遊びにつきあわされた。
何がどう楽しいのか橋川にはよく判らなかったが、やってる当人たちはとても楽しそうだった。

子供の遊びって、時々奥が深い。
上の子がまだ小さくて、幼稚園に行っていたころのこと(この3月までそうだったのだが)だが、「バスごっこ」というのをやらされた。
ぬいぐるみとか人形を園児役にして、橋川が保父さん役である。
家と学校を行ったり来たりするばかりの、他愛もない遊びなんだけど、これがちゃんと朝幼稚園に行く時は子供たちはみんな一緒にバスから降ろすのに、帰る時はそれぞれの家の近くで順次降ろしていくのである。
子供というのは見てるものなんだなぁ、と感心させられたものだ。

そんなことしてた彼女も、この4月から小学生をやっている。
幼稚園でも習っていたことでもあり、ひらがなはどうやらマスターしたようだ。
橋川の部屋の床に散乱したコミックスの表紙を見ていわく、

「あふさん?」

濁音はまだわからないらしい。

「あふさん、いっぱいあるね?」

いや、だから違うって。

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