「天を握った貴様が最後に望むもの、それが我が将!」

という観点から(さすがに苦しくなって来た)、カガリデー。
「よしよし」って……
「よしよし」って、カガリ……
キラを何だと思ってるんだと突っ込みつつ、俺もされてぇ!

オーブというコーディネイターにも理解のある中立国の出身だからなのか、そのへんの偏見とかにとらわれてはいない様子なのも、よし。

そんな風に親密度アップイベントしてる二人のもとへ、わざわざ露出度アップでフレイ登場。
笑った(笑)。
う〜ん、「ときめきメモリアルGS(ガンダムシード)」(意味不明)。

で、ジュウザトーク。
命と引き替えにラオウの右腕を折りにいった彼だったが、ラオウは彼の想像を超えて強靱だった。
関節を極められたまま、腕一本でジュウザを持ち上げる。
ジュウザ執念の健闘も、実質ここまで。
が、漢(おとこ)としての見せ場はむしろここからが真骨頂。

一度は心を捨てたはずのジュウザが、そこまでの執念で守ろうとする南斗最後の将とは何者か?
口を割らせようと、秘孔「解亜門天聴」を突き、ジュウザを責めるラオウ。
己の意志に関係なく問いに答えてしまう、また無理に逆らえば全身から血を吹き出してしまうというこの秘孔に、ジュウザは必死で耐える。
耐える。

ハンカチの用意はよろしいかな?

「北斗の拳」にはさまざまな愛の形が描かれていたが、やはりそこは世紀末、悲恋も多かった。
分けてもこのジュウザのユリアへの思慕は泣かす。
全身を襲う激痛にもうろうとなる意識の中で、脳裏をかすめるのは愛する女性の姿。
ケンシロウと手を取り合って去りゆく彼女を、影から見送った哀しい記憶。

「ユ……」

ついに屈したかと見て、口元に耳を寄せてきたラオウに、彼は言った。

「ラ・オ・ウ・の・ク・ソ・バ・カ・ヤ・ロ・ウ」

かなわなかった恋があった。
その想いを死の間際にも口にしてはいけなかった愛があった。
けして口にせずに逝った漢(おとこ)がいた。

雲のジュウザという漢(おとこ)がいた!

原作ではこの後、激怒したラオウに地に叩きつけられ、

「俺は雲! 俺は自分の意志で動く! 最期の最期まで、俺は雲のジュウザ!!」

という高笑いとともに、全身を破裂させて、彼は息絶える。
アニメ版だともうちょっとだけ長生きして、ボロボロの身体でなおラオウに挑んでいく。
テレビ放映の尺の都合でもあったろう、蛇足の感はあるものの、土煙をけりあげて目くらましにしたり、口にたまった吐血を目つぶしにしたりと、「北斗の拳」屈指のくせ者ぶりを発揮してくれて、ジュウザファンとして、これはこれで嬉しかった。
ラオウに百烈拳をまでつかわせ、もう一傷だけをその無敵の肉体に与え、最期は立ち往生。

「敵ながら、見事であったジュウザ」

と、ラオウもさすがにこの男を讃え、部下たちに丁重な埋葬を命じてもいる。

という風に雲のジュウザのその戦いぶり、生き様を数日に渡ってみてきた訳であるが、どうか。
彼が「北斗の拳」でも屈指の名脇役であったことが、ご理解いただけたろうか。
そしてまた、30過ぎた男に、たったひとりの脇役のことをこうまで熱く語らせる、「北斗の拳」という作品は、やはり名作であった。

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