「フハハハハ、このジュウザ負けたわ! ケンシロウ…… さすがにユリアが愛した男よ」

という具合で、「ジョー&飛雄馬」を読む。
大リーグボール1号の完成型登場。
花形と同じ特訓を積んで挑んだ、西本阪急の秘密兵器スペンサーを返り討ち、川上巨人のV4に貢献。

今さら言うまでもないが、V9をばく進する川上巨人と、もっとも多く日本シリーズで対戦した、パ・リーグの優勝チームが、この西本阪急。
結局監督通算で、川上哲治はセ・リーグ優勝11回、日本一11回。
一方の雄・西本幸雄は、パ・リーグ優勝8回にしてとうとう日本シリーズでは勝てなかった。
見事に明暗を分けている。

ところで、仰木魔術と天才イチローの存在で、一躍パの花形球団になった今のオリックスをしか知らない人には判らないか知れないが、阪急時代には「灰色の球団」などとも言われた。
この西本監督や、その愛弟子でもあった後任の上田監督が、スター選手だからと優遇しない徹底した管理野球、選手全員横一線あつかいの采配をふるったためだ。
特に西本時代には、パ・リーグを制しながら、3割打者は一人もなし、などということもあったらしい。
一方で、今例えば投手の通算勝利ベスト10を見ると、米田哲也、鈴木啓示、山田久志の3人が、西本監督の下で働いたことのある投手である。
いかに選手を大切につかう指揮官であったかが伺える。
頑固一徹の鬼指揮官などとも形容される彼の、勲章であろう。

話を戻して、「巨人の星」。
日米野球で来日したカージナルスの秘密兵器として、花形、左門につづく第3のライバル、アームストロング・オズマが登場。
言わずもがな、彼が本当の意味で飛雄馬の最大のライバルとなるのは、もうちょっと後…… 父・一徹が中日コーチとして彼の参謀役になって以降のこととなるのだが。

今、我々が割と軽い語感のカタカナ語で「メジャー」といわば呼び捨てにしている、アメリカのプロフェッショナル・ベースボールのことを、「大リーグ」と呼んで敬っていた時代があったのである。

「巨人の星」で飛雄馬が大リーグボール1号をもってしてもやりそこねた、メジャーチーム相手のノーヒット・ノーランはずっと後、野茂英雄によって達成されることになる。

「さぁ、黒王よ、主の元へ疾駆せよ」

ラオウの進軍を止めうるは、死を賭したジュウザの奥義のみ!

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