「愛するマミヤ！　その瞳の輝きに死兆星がひそむ!!」

誕生日で、だから当然ひとつ年を取った。
16進数で言ったら、もう十代最後の年だよ〜、とか冗談めかしてすませるつもりだったのだが。

横綱・貴乃花光司引退。

我々70年代生まれ世代から出た、最初のスーパースターが現役を去った。
31才か。
何だか、一気に老け込んだ気がするなぁ。

優勝回数、幕内勝ち星、横綱在位期間、年間最多勝記録……　そのどれをとっても、A級の横綱であったことに、異をはさむ人はいないだろう。
だが、どういう訳かな。
「お疲れさま」とか、「よくやった」とか、橋川はどうしても言う気になれない。
引退会見での、ここ数年けして聞けなかったような、さばさばした口調などに、救いを感じはするものの。

死んだ子の年を数えるようなことを言っても、しかたあるまいし、それこそ貴乃花自身、けして望まないことなのだろうけれど。

我々が彼に託した夢は、もっと違ったものだった、と思う。

……この平成最高の巨星の現役時代の評価には、もう少し時間が必要だろう。

本名・花田光司
初土俵・昭和63年3月
新十両・平成元年11月
新入幕・平成2年5月
新三役・平成3年7月
大関昇進・平成5年3月
横綱昇進・平成7年1月
初優勝・平成4年1月
優勝回数・22回（全勝4回）
殊勲賞・4回
敢闘賞・2回
技能賞・3回
金星・1個
幕内在位・72場所
通算成績・794勝262敗201休
幕内成績・701勝217敗201休

最終場所…………平成15年1月