世間様から大いに遅れた話題になるけど、「ホイッスル」。
終わりそうだ、と聞いてから数話だけ追っかけてたけど、何だか、
「どうせ俺は死ぬんだから、何でもやってやるぜ〜!」
みたいなノリになってたかなぁ、と。
アニメにもなったし、けして人気がなかった訳じゃないと思う。
以前とある大御所作家さんが、
「雑誌がイメチェンを図る時、まず切られるのは一番人気のマンガなんだ」
と言っていたのを読んだことがあるので、あるいはそれかな、とも。
しかし「ヒカル」とかを切る勇気(?)は今のジャンプにはなくて、白刃の矢を立てられたというか、貧乏くじをヒカされたというか、そういう形だったのかと、ね、思ってしまうのですよ。

聞きかじりになってしまうけど、作者がかなり早い段階で「打ち切りになる」とネット上で公表してたとか、かなり不満ありげな(いや、そりゃ悦んで打ち切られる作家さんもいないだろうが)態度だったらしいので、ちょっと邪推してしまう。

個人的に、キャラクタは嫌いじゃなかったと思う。
風祭とかポチとかあとカザとか、翼くんとか。
サッカーマンガとして見た時、けしてレベルが低かった訳じゃなかったとも思う。
ただ、少年マンガとして派手さが足りず、週刊連載として問答無用に次週を心待ちさせるような……うまい言葉が出て来なくてアレだけど……ハッタリ感に欠けていたかと。
正直、はまりそうではまれない、どうにもぼやけた味の料理を食べさせられた気分になるマンガだったかなぁ。
あくまで、個人的にはですけどね。

一方で「こういう」マンガが少年誌、特にジャンプに載るようになったのか〜、と思うと、その筋のファンやってながい人間として、感無量。
一昔前は考えられなかったことで、打ち切り間際の「カミングアウト」にはむしろ快哉。
……などと、遠回しな言い方しないでも済む時代まで、もう一歩なのでしょうな。

カブレラには、最終戦最終打席でランニングホームラン、というのを期待していたんだけどね。
セ・パともにしまらない結末になってしまったペナントレース、かろうじて残った個人記録への興味も、松井の三冠もカブの56号もなしとなって、日本シリーズまでの間の長さが何ともうらめしい。

その影に隠れてしまった形ながら、松井(稼)のシーズン最多長打記録はあっぱれだったか。
従来の記録保持者は小鶴 誠で、日本人初の50ホーマー達成者。

去年、ローズが55号ホーマーを打った時、「リーグ全体のホームラン数に対する割合」を引き合いに出して王さんと比べる意見があった。
その「リーグ全体の云々」というのは、実はロジャー・マリスが61号ホーマーを打った時に、何とかしてベーブ・ルースの存在を神格化したかったアメリカ人たちが言い出したことなのだが、ある意味理にかなった比較ではある。
ボールやバットの品質の進化、野球観や戦術論の変化を考慮しながら、各記録を比較するには良い考え方ではあるだろう。

前置きが長引いたが、その「リーグ全体に対する本塁打比率」で見た時に、王や野村、中西、現在のローズや松井やカブレラをおさえてトップに踊り出るのが、この小鶴 誠の51本の記録となるらしいのだな。

本塁打記録の方は、やがて野村に上回られ、その野村を王が追い抜き、そしてローズ、カブレラが王に並んだ訳だが、長打数記録の方は今年まで生きのびた。
王より一時代前のホームラン王小鶴の、ある意味55号以上に歴史の荒波に耐えて生き残って来たその記録も、とうとう更新された。
感無量ではある。

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