「君を忘れない」

2002年9月22日
2002年というのは、鉄人、ファイターと呼ばれた猛者たちが、次々姿を消した年として記憶されることになるかもしれない。
ダイエーの秋山、横浜の石井、角界からは貴闘力、そして……

寺尾恒文。

現役最年長、通算出場1795回(歴代2位)の鉄人もついに土俵を去る。
つい先日、貴闘力を誉めたばかりで何だが、それよりさらに小さな身体で、彼をもうわまわる現役23年。

「花のサンパチ」と呼ばれた昭和38年生まれ世代の最後の一人でもあった。
彼らの次に一時代をつくった、「63年春組」から横綱を極めた曙や若乃花が燃えつきた後も、土俵に立ち続けた。

誉める言葉が思い当たらない。
立派の一言である。

貴闘力にとって最後の土俵となった、今場所12日目の対戦、引き落とされ土俵に手をついてしまった対戦相手の肩に、そっと手をおいたという。
してみると、
「俺もすぐに行くよ」
の意味だったのか。

思えば、貴乃花戦となれば闘志を燃やした人だった。
その貴乃花の復活を見届けての引退とは、めぐりあわせの奇縁とすべきか。
らしいと言えばらしいのか。

ありがとう、そしてお疲れさま。
こればっかりだが、本当にこれしか思いつかないよ。

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