「目の上のタンコブだった」「お互い同じことを思っていた訳だ」

今年、ダイエーとオリックスが台湾に遠征して公式戦を行った時、プロ野球史上初と報道されたのに、首をかしげた人も多かったと思う。
厳密に言うなら、戦前の1リーグ時代に、すでに満州遠征が行われているからだ。

そのあたり、詳しい人には言わずもがなであろう。
1940年8月3日、大阪（現・阪神）タイガースの三輪八郎投手が、彼の地の大連球場でノーヒット・ノーランを達成している。
タイガースにすれば創設以来初の快挙、やられた巨人としては初の屈辱だった。

「巨人打線大連に死す」などと報じられた。

巨人の打撃陣はホテルで南京虫に悩まされ、こぞって寝不足だった、という裏話が伝わるが、これは話を面白くするための脚色とのこと。
お世辞にも整備の良くない大連球場は、前夜の雨でボールがまるではずまないコンディションで、ために凡打を繰り返してしまったのが真相らしいが、それは、まぁ、相手も同じ条件では言い訳にはなるまい。

時は流れた。
中日・川上憲伸投手が、対巨人戦でノーヒットノーランを達成。
天候は無関係のドーム球場では、それこそ言い訳のしようはないよなぁ。

ちなみに、メディアによって「史上70人目」とも「72人目」とも報道されているが、過去に2試合、「継投によって達成されたノーヒットノーラン」があるので、それをどう数えるかの違いだと思う。
近年では、まずそうした記録を継続中の投手は降板はされない。

「チャンピオン」発売日。
「不知火と土門が人知れず試合して良い訳ないだろぉ！」
という訳で、夢の対決を描く「ドカプロ」特別編。

「不知火と土門がユニフォーム姿で横浜スタディアムにいる！」
となったら、もっと大変なことになってよさそうなものだが、そのすぐ二日後に、明訓歴史的初黒星の対弁慶高校戦があったとしたら、まぁ、歴史の影に葬られてしまったのも仕方ないか。

……とこう書いて今、本当にまさに今思い出したのだが、吾郎は明訓にひっついて甲子園に行ってたんじゃなかったんかい！？

まぁ、そんなこととか、「練習試合なのに延長戦まで、しかもしっかり18回までやるんじゃない」とか、そういう突っ込みはなしにして、やはり一度は見たかった夢の投手戦。
それ以前に、セ・リーグ組で当然とっくに実現しているはずの「夢の対決」がいくらでもあるだろう、とか、そんなこと思ってはいけないんだ、きっと。
ええ、思ってませんとも。