「ラ、ラル大尉、連邦の新兵器です！」「落ち着け、これは台風というただの自然現象だ」

未確認生命体……もとい（ゲフゲフ）、台風第11号によって、直接間接に被害に遭われた皆様に、慎んでお見舞いもうしあげます。

で、その第11号が関東に上陸しようかっていうまさにその時刻、橋川は職場で働いていたのだよ。
「大丈夫？」って？
ハ！　それは昨日今日入隊の新兵に言うことだ。
このていどの悪天候下での作戦は、橋川はこのまえの戦争でいやというほど体験している。

「いつの戦争だ？　南北戦争か？」
などというアメリカン・ジョークっぽいつっこみはさておき。

この風、この肌触りこそ、戦争よ！
行くぞ、アコース、コズン！
視界の悪いのを気にすることはない。
荒れれば、荒れるほど、我が隊には有利というものよ。
この任務を達成すれば、二階級特進ものであるということを忘れるな。

冗談さておき。
橋川の住んでいる市内には、鉱毒事件で有名な渡良瀬川が流れているのだが、雨があがってから見に行ってみたらば、河川敷の運動公園がなかば水没していた。
一番すごい時で、どんな具合だったのだろう。
うちの家は、市内ではわりと高いところにあって、「キャスリン台風」の時にも床上浸水は免れた、という話だったので、その意味では安心していたのだが。

ちなみに、今日全国で最高の降雨量を記録したのは、我が栃木県の中善寺湖畔周辺（500ミリ）であったとのこと、エヘン（威張るな）。